
タイブレークを制し2部優勝!日大との入替戦へ






令和7年度東都大学野球春季2部リーグ戦の優勝決定戦、対専修大戦が6月6日に等々力球場で行われた。この1戦を制した方が優勝となるプレーオフは、延長タイブレークまでもつれたが10回表に網治晃佑(経3) が決勝適時打を放ち、勝利を飾った。一時は5位まで転落した駒大だったが、逆転での優勝となった。
1部復帰をかけた入替戦は、6月23日と24日に明治神宮野球場で日本大と行われる。
スコアと戦評は以下の通り
優勝決定戦 | |||||||||||
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チーム/回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 |
駒 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
専 大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
◆戦評
先発の仲村竜(営4)は初回、2つの四球などから無死満塁のピンチを招き、先制点を許す。
3回表、先頭の⑧疋田悠真(仏3)が四球を選び、⑨永野陽大(仏2)の犠打で1死2塁の好機を作るも後続が倒れる。初回の先制点が駒大打線に重くのしかかる。
得点を奪えず迎えた5回表。⑧疋田が右安で出塁すると⑨永野の犠打で再び、1死二塁に。続く①小林伶斗(政4)が2ストライクから左安を放ち、②鈴木塁(政3)の犠飛で疋田がホームイン。同点に追いつく。
6回裏1死二塁から、⑥中野(専大)が放った三塁線への鋭い打球を三塁手の鈴木が好捕し長打を許さない。ここで仲村から本間葉琉(法3)へと継投する。本間は1死満塁のピンチを迎えるもひるまず、遊併殺打で無失点に抑えた。
7回裏からは対東農大1回戦ぶりに仲井慎(法3)が登板。故障明けのマウンドとなった仲井だったが9回2アウトまで登板し、田本聖貴(営3)にマウンドを譲った。
両者は一歩も譲らずタイブレークへ突入する。
10回表、駒大は思うように攻めきれず2死一、二塁となったが、②鈴木が左安を放ち満塁に。代打の網治晃佑(経3)が中安を放ち2点を追加。その裏は田本がテンポよく相手を封じ3-1で優勝決定戦を制した。
◆インタビュー
◆香田誉士史監督
ーー厳しい試合を振り返って
「いろいろな勉強になった。2カ月以上、体調面などをどうやってピーキングしていくのか、昨季できなかったことを改善して心技体、すごく粘れるチームになってきた。先制されたが、やり返せたところは、成長したところだと感じる。1部への挑戦権を得たに過ぎないので、またここからどうやってやっていくかを考えていく」
ーー初回の無死満塁を1点で抑えたことが大きかったか
「先頭打者に左二塁打を打たれたところで、立ち上がりが不安だったが、常日頃、チームの共通認識である『何とか1点で』という意識で、2点だと気が遠くなってしまうところだが、粘ってよく1点に押えてくれた」
ーー今日の先発は仲村だったが
「迷いなく決まっていた。2、3日前に本人へ伝えた」
ーー最終回、二死満塁でタイムを取りマウンドへ向かったが、どんな言葉をかけたのか
「専大もミスをしていたところもあり、満塁だが悪くない状況。(投手の田本には)『しっかりバッターに向かって』、(守備には)『落ち着き、冷静にいこう』と伝えた」
ーー10回の網治の中安は、専大の遊撃手と二塁手が見合ったように見えたが
「守備の優先権が曖昧なコースに打球が飛んだという印象。抜けるべくして抜けたが、(守備の優先権の)ど真ん中だったのかなと思う。だから、2塁走者が帰って来れた」
ーーけがをした仲井が登板したがその経緯は
「トレーナーとの相談で『リーグ戦は厳しいが、それ以降なら』と話していた。捕手を座らせたり、打者のいる投球練習を行い、調整していた。入替戦に行けば、調整が間に合うと分かっていたが、それでは間に合わないという場合もある。相手からすると、ベンチに仲井がいるだけでプレッシャーを感じると思う。そういうところで仲井を起用した」
ーー本来なら投げない予定だったのか
「投げる予定だった。プランニング通りだった」
ーー2部に落ちてから、今日の優勝までどんなチーム作りを心がけ、今に至るのか。その手応えは
「やはり、規則正しい生活と学業との両立がプレーに粘り強さを産むはずだという意識でやってきた。心技体を鍛えられるライフスタイルで、選手たちが努力できる環境の中やってきたと思う」
ーー降格した時に足りなかったものは
「力や、自分自身の経験が足りなかった。リーグ戦の中で流れを引き寄せることや、技術が未熟だったと思う。また、2カ月戦い抜く体力など。挙げたらキリがないが、粘り強さ、勝負強さに結びつかないといった、精神的なところもあったと思う。自分の采配が裏目に出るなど、未熟なところが多かったと感じていた」
ーー当時を振り返り、今どのくらい改善しているのか
「1部への挑戦権を得て、上がるかもしれないし、残留するかもしれない瀬戸際。当然最高の仕上がりとは言えないが、着実に階段を登っていると言える。これは、東都リーグに属しているうちはずっと続いていくこと。選手たちには淡々と学業と野球の両立をこなせるよう、促していく」
ーー選手として大学野球の経験があると思うが、監督の立場となると違ってくるのか
「やはり違うと感じる。自分が選手だった時代とは全く異なる。自分が学生の頃にはなかった、授業や大学のことを把握しながら、やっている。また、自分が学生だった頃から、だいぶ間が空いたため、全く別物のような心持ちで2年目に挑んでいる」
ーー眞邉がシーズンを通して安定している
「打席に多く立つ中で、打席の考え方など『いろんなものが成長できた』という話をしていたので、そこがこういう結果につながったと思う」
ーー日大との入替戦だが、突破するポイントはなにか
「これまでリーグ戦でやってきたことの自信と、どれだけ平然と自分たちがやってきたことを出すかいうところとだと思う。『そこができればこちらの試合になってくると、いつもみんなで信じてやろう』と言っている」
◆出村夢太(法4)主将
ーー監督の采配が今季、ようやくかみ合ってきた
「今までは選手達が、監督のやりたい野球を体現できなかった。しかし今季の戦いは、監督の思い通りにはいっていないとは思うが、昨季よりも監督と一緒にやっているし、バラバラではないというのは感じる」
ーーそれはどこで感じるか
「野球以外のところを大事にして、どのように野球につながるかはわからないが『全員で1つの事を徹底していこう』というのを新チームが始まった時からやっていた。今季の最初は負けこんだりしたが、そこでやってきたことが間違っていると思いがちなところを皆が信じて、負けていてもやるべき事をしっかりとやってくれていたので、このような後半戦の6連勝につながったと思う」
ーー監督のやりたい野球をあえて言葉に表すと
「作戦的なことでは、サインプレーが多いチームなので、打って投げて走るだけではなく、エンドランなどのいろいろなサインが持ち味。そこがかみ合う確率が昨季よりも高くなった」
ーー選手の入れ替わりが激しい
「試合に出ていない選手も次の日には出るかもしれないという緊張感のなかで2カ月やってきた。いきなりベンチに入って結果が出る選手も昨季よりも多くなり、ベンチ入りは25人だが部員全員で戦っている雰囲気」
ーー入替戦に向けて
「入替戦ではなく1部で勝つために冬からやってきたため、特別に緊張することもないと思う。もう一度冬からやってきたことを継続し、そこが崩れなければもう準備してきたと思うため特別、日大だからといって気負わずにいつも通り入っていけるような準備をしていきたい」
ーー相手の主軸に高校の同級生(谷端将伍)がいるが、意識するところはあるか
「意識は少しある」


◆網治晃佑(経3)
ーー代打した10回表の場面では『俺が』という思いだったのか
「守備があまりできておらず、どのような場面で代打で出場するかわかっているので、逆算して準備した結果がいい当たりではなかったが、抜けたと思う」
ーーファーストストライクから豪快に振っていたが、準備していたからか
「そうですね」
ーー打った瞬間の手応えは
「当たりが悪くなく、コースが良かったので抜けろと思った」
ーー抜けた時の気持ちは
「ホッとしたという気持ちが1番。うれしかった」
ーー球種とコースは
「アウトコースの真っすぐ」

◆眞邉麗生(法2)
ーーいつもと違う雰囲気だったが、どうだったか
「緊張感があったが、いつも通りのプレーをしようという気持ちで打席に入った」
ーー今季、成長した部分はどこか
「打者としての引き出しが増えた。コースに対するバットの出し方や、投手の特徴を抑えてどういう軌道で打ちにいくかなどの、その場に合わせた打撃が少しずつできるようになってきた。課題はたくさんあるが、打者としてのレベルがひとつ上がった感じがする」
ーーどのような打者を目指したいのか、イメージはあるのか
「強い打球が出る中でアベレージが残せるような打者になりたい。アベレージを残す中で、強い打球や低い打球だったり、一本もあるという期待感のあるバッターになりたい」
ーーどういうバットを使用しているか
「ヴィクタスというバット」
